衆議院小選挙区の区割りの改定の概要
令和4年11月28日に、公職選挙法の特定部分を改正する法律、通称「区割り改定法」が公布され、同年12月28日から実施が開始されました。
衆議院議員選挙区画定審議会は、衆議院の小選挙区で選出される議員の選挙区について、国勢調査の結果を元に令和2年に行われたものに基づき、全国の140選挙区を25の都道府県に関して改定案をまとめました。これらの改定案は令和4年6月16日になって、内閣総理大臣によって承認されました。区割り改定法は、この承認を受けて小選挙区の新たな区割りを実施するものです。
今回の選挙区の改定と議席数の調整は、令和2年の国勢調査の結果に基づいて行われました。この取り組みは、一票の格差を是正するためのものです。
衆議院の小選挙区の区割り改定は、10年ごとに実施される大規模国勢調査の結果に基づき、都道府県ごとの議席の割り当てをアダムズ方式(※)という方法で行います。この後、各選挙区の人口の差が2倍未満となるように調整が行われます。
比例代表選挙区(ブロック)の議席数の見直しも同様に、10年ごとの大規模国勢調査の結果を基にアダムズ方式によって行われます。
こうした措置によって、既存の格差を是正し、公平な選挙の実現を図る狙いがあります。
(※)「アダムズ方式」
「アダムズ方式」とは、衆議院選挙における1票の格差を修正するために使用される計算方法であり、都道府県ごとの小選挙区の数を見直す際に応用されます。
この方法は、アメリカの第6代大統領であるアダムズ大統領によって提唱されたとされ、その名前で呼ばれています。都道府県ごとの小選挙区の数は、都道府県の人口を特定の数値で割った後、その商の小数点以下を切り上げた数になります。
この数値は、都道府県ごとの小選挙区数の合計が、あらかじめ設定された議席の総数に一致するように調整されます。
このアダムズ方式は、2016年の法改正によって導入され、2020年の国勢調査の結果を元に初めて適用されました。その目的は、選挙の公平性を高めるために、人口の変動を考慮しながら議席数を適切に調整することです。
小選挙区の変更
変更点としては、小選挙区の数に関して、東京都では5つ増加し、神奈川県では2つ増加し、埼玉県・千葉県・愛知県の各1つずつ増加し、一方で宮城県・福島県・新潟県・滋賀県・和歌山県・岡山県・広島県・山口県・愛媛県・長崎県の10県で1つずつ減少します(増加10、減少10)。
定数が増加する団体 | 定数が減少する団体 | |
埼玉県(15→16) |
宮城県(6→5) |
福島県(5→4) |
千葉県(13→14) |
新潟県(6→5) |
滋賀県(4→3) |
東京都(25→30) |
和歌山県(3→2) |
岡山県(5→4) |
神奈川県(18→20) |
広島県(7→6) |
山口県(4→3) |
愛知県(15→16) |
愛媛県(4→3) |
長崎県(4→3) |
改定による人口最小の選挙区
最も人口が少ない選挙区と、その選挙区の人口と比較して、他の選挙区の中で人口が2倍以上になっている選挙区の数(令和2年日本国民の人口)
改定前23選挙区 |
→ |
改定後0選挙区 |
改定による最大人口格差(令和2年日本国民の人口)
最も人口が少ない選挙区と、その選挙区の人口と比較して、他の選挙区の中で人口が2倍以上になっている選挙区の数(令和2年日本国民の人口)
改定前 |
→ |
改定後 |
||
【最大】 東京22区 574,264人 |
【最小】 鳥取2区 273,973人 |
【最大】 福岡2区 547,664人 |
【最小】 鳥取2区 273,973人 |
|
2.096倍 |
1.999倍 |
比例代表ブロックの変更
同様に、衆議院の比例代表選出議員の選挙区において選出される議員数についても変更があり、東京都選挙区では2つ増加し、南関東選挙区では1つ増加しますが、一方で東北・北陸信越・中国の各選挙区で1つずつ減少します(増加3、減少3)。
定数が増加するブロック |
定数が減少するブロック |
南関東ブロック(22→23) (千葉県・神奈川県・山梨県) |
東北ブロック(13→12) (青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県) |
東京都ブロック(17→19) |
北信越ブロック(11→10) (新潟県・富山県・石川県・福井県・長野県) |
中国ブロック(11→10) (鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県) |
新たな衆議院小選挙区選出議員の選挙区(都道府県別)
北海道 |
第1区 |
札幌市中央区、札幌市北区(本庁管内(北六条西1丁目~9丁目、北七条西1丁目~10丁目、北八条西1丁目~11丁目、北九条西1丁目~11丁目、北十条西1丁目~11丁目、北十一条西1丁目~11丁目、北十二条西5丁目~12丁目、北十三条西5丁目~ 12丁目、北十四条西5丁目~13丁目、北十五条西6丁目~13丁目、北十六条西6丁目~13丁目、北十七条西7丁目~13丁目))、札幌市南区、札幌市西区(山の手一条1丁目~13丁目、山の手二条1丁目~12丁目、山の手三条1丁目~12丁目、山の手四条1丁目~11丁目、山の手五条1丁目~10丁目、山の手六条1丁目~9丁目、山の手七条5丁目~8丁目、山の手、二十四軒一条1丁目~7丁目、二十四軒二条1丁目~7丁目、二十四軒三条1丁目~7丁目、二十四軒四条1丁目~7丁目、琴似一条1丁目~7丁目、琴似二条1丁目~7丁目、琴似三条1丁目~7丁目、琴似四条1丁目~7丁目、発寒六条14丁目、発寒七条14丁目、発寒八条13丁目(14番)、発寒八条14丁目、発寒九条13丁目(5番から7番まで)、発寒九条14丁目、小別沢、宮の沢一条1丁目~5丁目、宮の沢二条1丁目~5丁目、宮の沢三条2丁目~5丁目、宮の沢四条3丁目~5丁目、宮の沢、西町南1丁目~21丁目、西町北1丁目~20丁目、西野一条1丁目~9丁目、西野二条1丁目~10丁目、西野三条1丁目~10丁目、西野四条1丁目~10丁目、西野五条1丁目~10丁目、西野六条1丁目~10丁目、西野七条1丁目~ 10丁目、西野八条1丁目~10丁目、西野九条3丁目~9丁目、西野十条6丁目~9丁目、西野十一条7丁目~9丁目、西野十二条8丁目、西野十三条8丁目、西野十四条8丁目、西野、福井1丁目~10丁目、福井、平和一条2丁目~11丁目、平和二条1丁目~11丁目、平和三条4丁目~10丁目、平和) |
第2区 |
札幌市北区(第1区に属しない区域)、札幌市東区 |
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第3区 |
札幌市白石区(菊水一条1丁目~4丁目、菊水二条1丁目~3丁目、菊水三条1丁目~5丁目、菊水四条1丁目~3丁目、菊水五条1丁目~3丁目、菊水六条1丁目~4丁目、菊水七条1丁目~4丁目、菊水八条1丁目~4丁目、菊水九条1丁目~4丁目、菊水上町一条1丁目~4丁目、菊水上町二条1丁目~4丁目、菊水上町三条1丁目~4丁目、菊水上町四条1丁目~4丁目、菊水上町、菊水元町一条1丁目~5丁目、菊水元町二条1丁目~5丁目、菊水元町三条1丁目~5丁目、菊水元町四条1丁目~3丁目、菊水元町五条1丁目~3丁目、菊水元町六条1丁目~4丁目、菊水元町七条1丁目~4丁目、菊水元町八条1丁目~3丁目、菊水元町九条1丁目、菊水元町九条2丁目、菊水元町十条1丁目、菊水元町、米里一条1丁目~4丁目、米里二条1丁目~4丁目、米里三条1丁目~3丁目、米里四条1丁目~3丁目、米里五条1丁目~3丁目、米里、東米里、東札幌一条1丁目~6丁目、東札幌二条1丁目~6丁目、東札幌三条1丁目~6丁目、東札幌四条1丁目~6丁目、東札幌五条1丁目~6丁目、東札幌六条1丁目~6丁目、中央一条1丁目~7丁目、中央二条1丁目~7丁目、中央三条1丁目~6丁目、本通1丁目南~21丁目南、本通1丁目北~21丁目北、平和通1丁目南~17丁目南、平和通1丁目北~17丁目北、本郷通1丁目北~13丁目北、本郷通1丁目南~13丁目南、北郷一条1丁目~10丁目、北郷二条1丁目~10丁目、北郷三条1丁目~10丁目、北郷四条1丁目~10丁目、北郷五条3丁目~10丁目、北郷六条3丁目、北郷六条4丁目、北郷六条7丁目~10丁目、北郷七条3丁目、北郷七条4丁目、北郷七条7丁目~10丁目、北郷八条3丁目、北郷八条4丁目、北郷八条7丁目~10丁目、北郷九条3丁目、北郷九条7丁目~9丁目、北郷、南郷通1丁目北~12丁目北、南郷通14丁目北~20丁目北、南郷通1丁目南~21丁目南、栄通1丁目~21丁目、流通センター1丁目~7丁目、川北四条1丁目、川北四条2丁目(2番)、川北五条1丁目、川北)、札幌市豊平区、札幌市清田区 |
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第4区 |
札幌市西区(第1区に属しない区域)、札幌市手稲区、小樽市、石狩市、北海道後志総合振興局管内 |
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第5区 |
札幌市白石区(北郷一条11丁目~14丁目、北郷二条11丁目~14丁目、北郷三条11丁目~14丁目、北郷四条11丁目~14丁目、川北一条1丁目~3丁目、川北二条1丁目~3丁目、川北三条1丁目~3丁目、川北四条2丁目(3番)、川北四条3丁目、川下一条4丁目~9丁目、川下二条4丁目~8丁目、川下三条3丁目~7丁目、川下四条1丁目~6丁目、川下五条1丁目~4丁目、川下)、札幌市厚別区、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市 、北海道石狩振興局管内 |
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第6区 |
旭川市、士別市、名寄市、富良野市、北海道上川総合振興局管内 |
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第7区 |
釧路市、根室市、北海道釧路総合振興局管内、北海道根室振興局管内 |
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第8区 |
函館市、北斗市、北海道渡島総合振興局管内、北海道檜山振興局管内 |
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第9区 |
室蘭市、苫小牧市、登別市、伊達市、北海道胆振総合振興局管内、北海道日高振興局管内 |
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第10区 |
夕張市、岩見沢市、留萌市、美唄市、芦別市、赤平市、三笠市、滝川市、砂川市、歌志内市、深川市、北海道空知総合振興局管内、北海道留萌振興局管内 |
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第11区 |
帯広市、北海道十勝総合振興局管内 |
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第12区 |
北見市、網走市、稚内市、紋別市、北海道宗谷総合振興局管内、北海道オホーツク総合振興局管内 |
青森県 |
第1区 |
青森市、むつ市、東津軽郡、上北郡(野辺地町、横浜町、六ケ所村)、下北郡 |
第2区 |
八戸市、十和田市、三沢市、上北郡(七戸町、六戸町、東北町、おいらせ町)、三戸郡 |
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第3区 |
弘前市、黒石市、五所川原市、つがる市、平川市、西津軽郡、中津軽郡、南津軽郡、北津軽郡 |