福島2区 区域
郡山市、須賀川市、田村市、岩瀬郡(鏡石町、天栄村)、石川郡(石川町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町)、田村郡(三春町、小野町)
福島2区 情勢分析
新たに衆議院小選挙区の区域が改定される選挙区。
旧1区の福島市、伊達市、伊達郡と旧2区の二本松市、本宮市、安達郡を合わせて新1区とし、旧1区の残余の区域と旧5区を合わせて新4区とした。
また、旧2区の郡山市と旧3区の須賀川市、田村市、岩瀬郡、石川郡、田村郡を合わせて新2区とし、旧3区の残余の区域と旧4区を合わせて新3区とした。
今回の大きな区割り変更によって、新福島2区は、旧福島2区に旧福島3区の半分を足し、一部を削ったような形になるので、旧福島2区と旧福島3区での情勢分析が必要だ。
旧福島2区は、小選挙区制実施以降、自民党の根本匠さんが当選を重ねてきた選挙区。
根本さんは、2005年の総選挙まで小選挙区で4連続当選(5選)し、野党候補者に比例復活で当選を許したのも、2003年に民主党から出馬した増子輝彦さんのみであった(初当選)。
民主党が大勝利をおさめ政権交代が実現した2009年の総選挙では、根本さんは千葉7区から国替えをした太田和美さんに敗れ、比例復活もならず落選した。
民主党が全国的な逆風にさらされ、自民党優勢だった2012年の総選挙では、根本さんが太田さんら野党候補者を寄せ付けず圧勝して6選を果たした。
この選挙後に発足した第2次安倍内閣で、根本さんは復興大臣として初入閣した。
この選挙で落選した太田さんは、その後、2013年の参議院議員選挙に生活の党から出馬するも落選、2014年衆議院議員総選挙では、野党統一候補として調整の結果、維新の党公認で、千葉8区から出馬し、比例復活で当選した(3選)。しかし、2018年の総選挙では希望の党から出馬し落選、2021年10月の千葉県柏市長選挙に無所属で出馬し、当選した。
前々回(2017年第48回衆議院議員総選挙)も根本さんが他の野党候補者を寄せ付けず圧勝して8選を果たし、2018年10月の第4次安倍改造内閣において、厚生労働大臣として再入閣した。
前回(2021年第49回衆議院議員総選挙)は、根本さんへの高齢批判や野党の統一候補が実現し、立憲民主党の馬場雄基さんとの一騎打ちの激戦となったが、小選挙区では根本さんが勝利して9選、馬場さんは比例復活に回り初当選を果たした(惜敗率83.30%)。
馬場さんは、この総選挙で唯一の20代での当選者(当選時29歳)となり、東京13区で当選した土田慎さんと共に初の平成生まれの国会議員となった(1992年(平成4年)10月生まれ)。
旧福島3区では、元参議院議員・福島県知事の佐藤栄佐久さんを岳父に持つ玄葉光一郎さんが2000年総選挙から8回連続当選しており、盤石の地盤を築いてきた。
民主党が全国的な逆風にさらされ、自民党優勢だった2012年の総選挙でさえも、自民党の菅野佐智子さんにダブルスコア以上の大差で破り当選した。ただし菅野さんは、惜敗率45.29%ながら比例東北ブロックで比例復活し、初当選している。
玄葉さんは、民主党政権時代に、内閣府特命担当大臣(「新しい公共」・少子化対策・男女共同参画・科学技術政策)、国家戦略担当大臣、外務大臣を務めたが、47歳での外務大臣就任は前任の前原誠司さんを抜いて戦後最年少である。
前々回(2017年第48回衆議院議員総選挙)は、元衆議院議員・参議院議員の荒井広幸さんの秘書だった上杉謙太郎さんが自民党から出馬、無所属の玄葉さんには敗れたものの、3度目の衆議院議員選挙にして初当選を果たした。
前回(2021年第49回衆議院議員総選挙)も、立憲民主党から出馬した玄葉さんが小選挙区で勝利して10選を果たすが、玄葉との票差をかなり縮めた上杉さんが比例復活で2選(惜敗率84.35%)。
福島2区 次期衆議院選挙(第50回衆議院議員総選挙)予測
次期衆議院選挙(第50回衆議院議員総選挙)では、区割り変更により選挙区が「分断」される形となり、立憲民主党も自民党も候補者調整が難しそうだったが、下記の通り決定した。
立憲民主党は2023年5月、次期衆院選福島県選挙区の新2区公認候補予定者となる支部長に玄葉さんを選んだ。また、旧2区を地盤とする馬場さんは、衆院比例区支部長とし、比例東北での名簿登載順位を単独1位で優遇するとした。
岡田克也幹事長は、記者会見で「実績を考えると、玄葉さんであれば選挙区で勝てる可能性が高い。県連とも相談して決めた」と説明した。県連が選挙区候補と比例候補を選挙ごとに入れ替えるコスタリカ方式の導入を党本部に求めたことについては「今回決めたのは次の総選挙の対応のみだ」と述べ、コスタリカ方式には言及しなかった。
一方自民党は、福島の新支部長として新1区に現職の亀岡さん、新2区に現職の根本さん、新4区に現職の吉野さんをそれぞれ選んでいたが、2023年3月に、地盤とする会津地方での支持者の多さなどから新3区の支部長に現職菅家一郎さんを選んだ。一方、県南地方が地盤の現職上杉謙太郎さんは、県衆院比例区支部長とし、次期衆院選の比例東北で優遇措置を取ると発表した。
次期衆議院選挙(第50回衆議院議員総選挙)では、立憲民主は玄葉さん、自民党は根本さんが出馬見通しなので、一騎打ちの激戦が予想されるが、玄葉さんが優位に立つ。
【福島2区予想】第50回衆議院議員総選挙
立憲民主 | 玄葉光一郎(現) | △ | |
自民党 | 根本匠(現) | ▲ |
(予測は2023年9月23日現在)
以上