宮城4区 区域
石巻市、塩竈市、多賀城市、東松島市、富谷市、宮城郡(松島町、利府町、七ヶ浜町)、黒川郡(大和町、大郷町、大衡村)、牡鹿郡(女川町)
宮城4区 情勢分析
新たに衆議院小選挙区の区域が改定される選挙区。
旧4区から加美郡を除いた区域と旧5区の石巻市、東松島市、宮城郡松島町、黒川郡大郷町、牡鹿郡を合わせて新4区とした。
旧4区の加美郡、旧5区に属する大崎市の区域、旧5区の遠田郡、本吉郡と6区を合わせて新5区とした。
宮城3区と同様に、この宮城4区も自民党が非常に強い地盤で、過去の選挙結果にもそれが現れている。
もともとは、自民党で衆議院議長、防衛庁長官、科学技術庁長官などを歴任した伊藤宗一郎さんの地盤であり、自民党が圧倒的に強い選挙区。
衆議院議員13期目在任中の2001年に伊藤さんが心不全で死去すると、その補欠選挙で地盤を引き継いだ長男の信太郎さんが初当選。
以後、自民党が唯一議席を失ったのが、民主党に政権交代した2009年の総選挙である。このときは、民主党の石山敬貴さんが小選挙区で勝利し、伊藤さんは比例復活もならなかった。
前々回(2017年第48回衆議院議員総選挙)は、野党の新人候補2人を相手に伊藤さんが圧勝、6選を果たした。
前回(2021年第49回衆議院議員総選挙)は、共産党・舩山由美さん、 日本維新の会・早坂敦さんを相手に選挙区では伊藤さんが圧勝、7選を果たした。日本維新の会の早坂さんは、惜敗率36.74%ながら、日本維新の会が比例東北ブロックで議席1を確保したため、初当選した。
選挙区域の改定を受けて、立憲民主党宮城県連は2022年12月、常任幹事会で対応を協議し、現在宮城5区選出の安住淳さんが、新4区から立候補する考えを明らかにした。安住さんの地元の石巻市など旧5区に属した多くの地域が新4区となったためである。
旧5区では、もともと、中選挙区時代の旧宮城2区の中でも、この5区を含む地域は、河北町(現石巻市)出身で社会民主党から民主党結党に参加し、1996年自社さ連立政権の第1次橋本内閣の郵政大臣に任命され初入閣した日野市朗さんの地盤であった。
小選挙区制施行当初は、旧宮城5区で牡鹿町長を務めた安住重彦さんを父に持つ安住淳さんが民主党公認候補となったため、日野さんは比例東北ブロック単独に回った。日野さんが議員在職中の2003年に69歳で死去して以後も、安住さんが一貫して議席を守り続けてきた。
また、旧宮城5区は、原発政策が争点となった2012年の総選挙において、原発立地の自治体が入る小選挙区で唯一、民主党候補が当選した選挙区でもある。
旧宮城5区の前々回(2017年第48回衆議院議員総選挙)は、安住さんと自民党の勝沼栄明さんの一騎打ちとなったが、安住さんが圧勝し、8選を果たした。
旧宮城5区の前回(2021年第49回衆議院議員総選挙)は、安住さんと自民党の森下千里さんの一騎打ちとなり票差を詰められたものの、安住さんの圧勝、9選を果たした。
旧宮城5区は、小選挙区制施行以降、一度も当選者が変わっていない(安住さん)数少ない小選挙区の一つである。
宮城4区 次期衆議院選挙(第50回衆議院議員総選挙)予測
次期衆議院選挙(第50回衆議院議員総選挙)では、伊藤さんと安住さんの激闘が予想される。
2023年9月13日に発足した第2次岸田第2次改造内閣で、伊藤さんは環境大臣兼内閣府特命担当大臣(原子力防災)に就任し、初入閣を果たした。
おそらく現役の大臣として選挙を迎える伊藤さんがどこまで安住さんに迫れるか注目だが、安住さん優位か。旧5区の主要地域が新4区となっているので、安住さんの強さは揺るがない。
【宮城4区予想】第50回衆議院議員総選挙
自民党 | 伊藤信太郎 | ||
立憲民主 | 安住淳(現) | ◯ | |
維新 | 早坂敦(比現) 惜敗率36.74% |
(予測は2023年9月20日現在)
以上