東京15区 区域
江東区
(2024年1月1日現在)
東京15区 情勢分析
東京都江東区は、公職選挙法が改正され小選挙区比例代表並立制が導入された1994年(平成6)から2022年(令和4)の公職選挙法改正まで、東京都内の単一特別区で構成される選挙区であった。
1996年の第41回衆議院議員総選挙では、自由民主党から立候補した柿澤弘治さん(前衆議院議員・柿沢未途さんの父)が、新進党の黒柳明さんらに競り勝つ。
1999年、柿澤弘治さんの東京都知事選挙立候補に伴う、第41回衆議院議員補欠選挙では、3人が立候補し、自由民主党の木村勉さん(元衆議院議員 元江東区長・木村弥生さんの父)が当選する。
なお、柿澤弘治さんは、東京都知事選挙立候補の際、自由民主党内部の公認問題で除名・保守分裂となり投票結果が6位で落選した。
2000年の第42回衆議院議員総選挙では、自由民主党・前職の木村勉さん、自由党・元職(比例単独)の東祥三さん、無所属・元職の柿澤弘治さんが立候補し、無所属の柿澤弘治さんが激戦を制し、返り咲き当選する。自由党の東祥三さんは比例当選する。
2003年の第43回衆議院議員総選挙では、自由民主党・元職の木村勉さん、民主党・元職の東祥三さん、無所属の会からは、前職の柿澤弘治さんが立候補し、自由民主党の木村勉さんが当選する。
2005年の第44回衆議院議員総選挙では、第43回と同じ顔ぶれが出馬し、自由民主党・木村勉さんが連続当選を果たす。
民主党が大勝利をおさめ政権交代が実現した2009年7月の第45回衆議院議員総選挙では、民主党・元職の東祥三さん、自由民主党・前職の木村勉さん、みんなの党・柿沢未途さん(柿澤弘治さんの長男)、日本共産党・吉田年男さん、幸福実現党・井寺英人さんら5人が立候補し、民主党・東祥三さんが当選する。 みんなの党・柿澤未途さんは、比例復活当選を果たす。
民主党が全国的な逆風にさらされ、自由民主党優勢だった2012年12月の第46回衆議院議員総選挙では、みんなの党・(前職比例)柿沢未途さん、自由民主党・秋元司さん、民主党・田中美絵子さん、日本未来の党・(前職)東祥三さん、日本共産党・吉田年男さんら5人が立候補する。
前職の東祥三さんが民主党を離党後、(国民の生活が第一→日本未来の党)から立候補したため、民主党は、前回の総選挙で、比例北陸信越ブロックで比例選出の田中美栄子さんを東京15区に鞍替え出馬となり民主党の票が分散し、結果として、みんなの党・柿沢未途さんが当選し、自由民主党・秋元司さんが比例復活当選する。
2014年12月の第47回衆議院議員総選挙では、(結いの党→維新の党)前職の柿沢未途さん、自由民主党比例前職の秋元司さん、日本共産党の吉田年男さん、無所属の猪野隆さんが立候補する。
柿沢未途さんが民主党都連推薦と民主党や無所属の地方議員の応援で、自民党本部や当時の内閣総理大臣・安倍晋三さんなどの強力な支援を得た秋元司さんの猛追をかわし、維新の党・柿沢未途さん88,570票、自由民主党の秋元司さん85,714票、その差2,793票という僅差で、維新の党・柿沢未途さんが選挙区で連続当選を果たす。
自由民主党の秋元司さんは、2期連続の比例復活当選となる。
なお、民主党の田中美絵子さんは、選挙区内で活動していたものの告示直前に石川1区に鞍替え出馬となる。
前々回(2017年10月)の第48回衆議院議員総選挙では、第47回と同じ、自由民主党前職の秋元司さん、希望の党前職の柿沢未途さん、日本共産党の吉田年男さん、無所属の猪野隆さんが立候補し、自由民主党の秋元司さんが101,155票を獲得し、選挙区で初当選する。
同年9月に民進党を離党後、希望の党に合流した柿沢未途さんは、党の逆風により、70,325票しか獲得出来ずに選挙区で落選し、比例で復活当選する。
また、選挙区で当選した自民党の秋元司さんは、2019年2月以降に発覚した以下の主な事件に名前が取り沙汰されるようになる。
※1 2019年2月発覚の東レ巨額不正取引事件に関してヤミ金業者の代理人として、当時の東レ社長に1億2千万円の支払いを求めた、弁護士法違反事件。
※2 2019年7月、内閣府副大臣時代に公益財団法人「児童育成協会」に虚偽の工事請負書を提出し、助成金2億円を騙し取った詐欺事件で東京地検特捜部が逮捕した会社社長が支援者であった事から名前が浮上する。
特に※2の事件に対して、東京地検特捜部が秋元司さんの身辺調査したところ、別の事件として、以下の事件が発覚する。
※3 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業への参入に関して中国の企業関係者が多額の現金を海外から持ち込んだ外為法違反事件が発覚し、東京地検特捜部が同年12月に事務所や元政策秘書・元私設秘書の自宅を家宅捜査し資料を押収し、同年12月25日に収賄容疑で逮捕(現職国会議員の逮捕は2010年の陸山会事件以来となる。)される。また、2020年1月に中国企業から講演や旅費名目で350万円を受け取った収賄容疑で再逮捕される。同年2月に保釈された。
一連の事件に関して、自民党を離党し、無所属になるも、党内の派閥には所属する事になる。
また、※3の事件に関して、汚職事件の贈賄側の証人に偽証を求めたとして、2020年8月に組織犯罪処罰法違反(証人等買収)の疑いで本人及び支援者が逮捕された。
(IR汚職事件で、実刑判決となるも控訴中)
前回(2021年10月)の第49回衆議院議員総選挙では、無所属(当選後に自民党追加公認)・柿沢未途さん、立憲民主党・井戸正枝さん、日本維新の会・金澤結衣さん、日本第一党の桜井誠さん、無所属で、今村洋史さん、猪野隆さん、吉田浩司さんら7人が立候補し、柿沢未途さんが76,261票獲得し、選挙区当選を果たす。 なお、他の政党公認候補者は、比例復活は出来なかった。
この選挙では、前職の秋元司さんが、IR汚職事件で逮捕され、自民党を離党した為、自民党都連が自民党本部に元職の今村洋史さんの公認申請していたが、立憲との統一会派を離脱した無所属の柿沢未途さんが首相指名選挙で、岸田文雄自民党総裁に投票するなどの自民党寄りの活動をしていた為、東京15区では無所属で立候補した、柿沢未途さん、今村洋史さん両名を保守分裂選挙になるものの、あえて推薦扱いとして、当選者に追加公認した。
なお、この選挙で、秋元司さんは、無所属で立候補を検討していたが、断念した。
また、立憲民主党は、自民党が推薦を出した柿沢未途さんへの対抗として、日本共産党と候補者調整を行い、野党統一候補者として、井戸正枝さんを公認候補者とした。 当初、日本共産党から立候補予定だった新人の小堤東さんは、比例区に回った。
なお、選挙区で当選した、柿沢未途さんは、2023年9月13日に発足した第2次岸田第2次改造内閣で法務副大臣に就任したが、同年4月29日に実施された第20回統一地方選挙「江東区区長選挙」で当選した木村弥生さんを擁立し、同年1月の区長選挙立候補表面時に支持を明らかにする。 また、この選挙においても、柿沢未途さんの後援会や事務所から関係者が木村弥生さんの選対本部に送り込まれた。
同年4月に木村陣営に対し、柿沢未途さんは新しい選挙戦の戦略として、インターネット有料広告が有効であるとして、柿沢事務所が議員会館を予約し、そこで撮影及び立会いを行う。
4月16日の告示日以降に動画サイトに於いて「木村弥生をお願いします。」との有料広告が流れる。 ただしこれは本来、公職選挙法第百四十二条六にて禁止されている行為である。
また、この選挙に先立ち、2月〜4月に数人の区議に1万〜20万円、木村陣営の運動員約10人に約150万円の報酬を払った買収行為も判明した。
これらの行為により、東京地検特捜部は、公職選挙法違反で同年11月に柿沢事務所や秘書自宅などの複数の箇所に家宅捜索を行い、証拠品を押収されたことを受け、同年12月に自民党を離党し、同年12月4日に本人と政策秘書、公設秘書や私設秘書など5人が逮捕、翌年1月17日に起訴された。なお1月18日に保釈申請が認められる。
逮捕起訴されたことを受け、同年2月1日に議員辞職願を提出し、辞職が認められた。
このことにより、衆議院解散が無い限り、第49回衆議院議員補欠選挙が2024年4月28日に執行される事になった。
東京15区の特徴として過去の選挙状況から見ても、保守分裂選挙が多い選挙区であるとともに、地域的に見ても高層マンション等の集合住宅の住民が多い、江東区のみで構成される東京15区は、浮動票が多い地域とされる。
東京15区 次期衆議院選挙(第49回衆議院議員補欠選挙)予測
柿沢未途さん議員辞職に伴う、次期衆議院補欠選挙(第49回衆議院議補欠選挙)は、2024年4月28日執行予定で、2024年3月17日現在、以下の候補者が予想されます。
日本維新の会新人・金沢結衣さん、日本保守党新人・飯山陽さん、参政党新人・吉川里奈さん、無所属で(都民ファーストの会)(自由民主党が推薦予定)・乙武弘匡さん、立憲民主党新人・酒井菜摘さん、つばさの党新人・根本良輔さん、無所属元職・秋元司さん、無所属で参議院議員の須藤元気さんです。なお、国民民主党から公認の出ていた高橋茉莉さんは、「法令違反の恐れがある行為が発覚した」として2月25日に公認取り消しが決定し、今後の対応は白紙となる。
また、日本共産党は当初、独自候補者として小堤東さんに公認を出していましたが、公認を取り下げて、立憲民主党の候補者である酒井菜摘さんを自主支援としました。 自由民主党は、候補者の擁立を断念しました。
【東京15区予想】第49回衆議院議員補欠選挙
(公認)日本維新の会 (推薦)教育無償化を実現する会 | 金沢 結衣(新人) | △ | |
(公認)日本保守党 | 飯山 陽(新人) | △ | |
(公認)参政党 | 吉川 里奈(新人) | ||
無所属(推薦予定)都民ファーストの会自由民主党 | 乙武 弘匡(新人) | ||
(公認)立憲民主党(推薦)日本共産党 | 酒井 菜摘(新人) | ⚪️ | |
つばさの党 | 根本良輔(新人) | ||
無所属 | 秋元司(元職) | ||
無所属 | 須藤元気 | ||
諸派 | 福永活也 |
以上